『免疫と「病」の科学 万病の元「慢性炎症」とは何か』(宮坂 真之/定岡 恵著、講談社ブルーバックス、2018年12月発行)

第1章 慢性炎症は万病の元

この章は概説である。医学を学ぶ人達の基本。炎症は、異物や痛んだ組織が作る産物に対する生体反応である。炎症は局所で起きるが、サイトカインを通じて体全体に伝わる。サイトカインは警報役。炎症性サイトカインは他の場所に影響を及ぼす。インスリンの働きを下げ、血糖値が高くなる。

炎症が続くと細胞が死んで組織が繊維化する。組織の機能が低下する。臓器の機能不全になる。

日本のAMED-CRESTで2018/3まで慢性炎症の調査・研究を行った。

革新的先端研究開発支援事業(AMED-CREST) | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

第4章 慢性炎症と病気

ガン:①ピロリ菌が胃がんの発がん因子。②肝炎ウィルス。炎症による細胞の死滅と再生の過程でゲノムの不安定化が起きて遺伝子変異が起こりやすくなる。

肥満・糖尿病:肥満とは、ボディマス指数BMI)=体重kg/(身長m)2>25。高カロリー食で脂肪組織が刺激を受けると炎症が起こりインスリンが働かなくなる。肥満になる。

アルコール摂取量1日20~40mgだと中性脂肪は増えない p.155

アルコール性肝炎

リウマチ

COPD 慢性閉塞性肺疾患は肺の炎症。息切れ・呼吸困難。たばこの煙、大気汚染。

 クローン病潰瘍性大腸炎

 第6章 慢性炎症予防

ストレスフリーが大事

健康習慣

1. 禁煙する

2. 節酒

日本酒1合、ビール大瓶1本、焼酎・泡盛1合の3分の2、ウィスキー・ブランデーダブル1杯、Wine ボトル1/3

3. 食生活を見直す:減塩する、熱いものを食べない(粘膜炎症を避ける)

4. 体を動かす

5. 適正体重を維持 BMI:21~26.9 (国立がん研究センター

 

(全体として)

人体の免疫メカニズムが複雑だということを示しているのだろうが難しい。難しい理由として文章が理解し難いこともある。その項で言いたいトピックが簡潔にまとまっていないためだろう。