NHKクローズアップ現代+「ネット広告の闇」シリーズの取材結果を本にまとめたものである。さすがにお金を使って取材に動いていることが良く分かる。漫画村のサーバーのホスティング業者がウクライナというので、キエフまで取材にいって、旧ソ連時代の倉庫で250台のサーバーを管理していることを見つけ出す。なかなかの行動力だが、資金の余裕がある、ということなのだろう。しかし、スウェーデンの防弾ホスティングサービスを介しているというので、運営者は突き止められなかった。
一方、漫画村の運営資金への広告であり、広告の流れからも調査を進める。
漫画村の資金源は広告である。広告には二通りあり、第一は見える広告(育毛剤、精力剤、ギャンブル、出会い系)、第二は漫画村の裏広告にびっくり。iframeの枠を非表示にして、そこに別の隠しサイトを読み込む。その隠しサイトは広告が掲載されている。広告は人間には見えないが、プログラム上では表示カウントさせる。手口が使われていた。これはアドフラウド(不正な広告)で隠し広告+ドメイン偽装。
フェイク広告:内容がうその広告。情報商材ビジネスに多い。ダイエットサプリ。フェイク広告サイトを作るのはアフィリエィトであり、アフィリエィトに成果報酬型で支払うため、アフィリエィトが売上を増やすためうその広告を作るというケース。ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)=広告仲介業者。このような仕組みは、一般消費者向けの大型商品でないと成立しない。ASPは1000人のアフィリエイターを抱える。芸能人、有名人、テレビ番組で権威付けすれば確実に売れる。
新聞社へのフェイク広告の配信はレコメンドシステムによる。新聞社が採用するレコメンドウィジット。レコメンドウィジットが広告を配信する。
相手に合わせて興味を持ちそうな広告を配信する。~しかし、実際にはどこに掲載されてしまうか分からないという、負の側面もある。
予約型~運用型。現在のネット広告は運用型が主流。アドネットワーク。Google ディスプレイネットワーク、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク。広告と枠のマッチング自動入札。ネット広告の8割が運用型。しかし、サイトの数が多すぎてチェックが行き届かない。DSP、SSPのRTB(リアルタイム入札システム)。運用型の暴走で海賊版サイトへの広告の配信がある。
インプレッション課金(CPM)、クリック課金(CPC)、成果報酬(CPI、CPA)
アドフラウド問題=漫画村やアダルトサイトZの運営。裏広告は裏広告のためのサイト制作者がいる。
アドフラウドの手口:広告を重ねる。1×1ピクセルに広告掲載。ビューアビリティ。
アドフラウドは9.1%(2017年、件数)
飛ばし裏広告:アダルトサイトZ(漫画村開発者が開発(?))の仕組み。配信業者はYahoo。
曽於市のふるさと納税広告予算は3000万円+納税額10億円超の1.5%成果報酬方式。
対策案:PMP(プライベートマーケットプレイス)。運用型広告は効率が良い。
飛ばし裏広告の仕組みを運営している組織は?
飛ばし裏広告プログラムは1000超のサイトに仕掛けられていた。アダルトサイト、アニメサイトなど。ここに来た来訪者を裏広告サイト=まとめサイトに飛ばす。19の不正まとめサイトを見つける。広告の配信業者はYahoo, Google, など。
Yahooは2019年6月からアフィリエイトサイトに誘導するネット広告の配信を停止する。
ニュース:
〇下記は、広告配信の停止
ヤフー、5900件の広告配信停止 不正の対策強化で :日本経済新聞
これを読むと、2018/10~2019/4の5か月で、まとめサイト、ゲーム攻略サイトなど5900件が広告配信停止となる。Yahooは20億円の減収となる。
〇下記は、アフィリエイトのPay Per Click広告(リスティング広告)を掲載しないという問題です。フェイク広告対策のようです。
2019年PPCアフィリエイトはもう稼げない!Yahoo!プロモーション広告の規約変更で氷河期突入か!? | 元引きこもりパン職人がネットビジネスに出会い人生を大逆転させた実話