『柴田勝家 織田軍の「総司令官」』(和田 裕弘著、中公新書、2023年6月25日発行)

柴田勝家といえば、瓶割柴田の異名をとる猛蒋としか記憶がないが、織田軍の中核として、戦いに明け暮れた様子がわかる。

本能寺の変の後は、完全に秀吉にやられてしまったという印象だが、本書は比較的丹念に戦いの足跡を追っている。

やはり一番印象に残るのは、北庄城での見事な最期だが、お市の方と交換した辞世の句は本当なのだろうか? 死が迫っているなかで読んだとしては掛け合いがうますぎるが。それとも戦国時代の人たちはこの位の辞世の句を簡単に読むことができたのだろうか。