『ビジネス書の9割はゴーストライター』(吉田 典史、青弓社、2015年5月)

商用日本語とは、一回読むとその意味がすんなりわかるように書いてある。

〇主要出版社の支払い
・原稿買取ならば1冊(200頁前後)80万〜130万円
・印税:定価×印税率×部数=原稿料 著者:ライター 
 7〜8割:2〜3割のパターン
・印税+原稿料

〇編集者
編集者は通常5人〜10人のゴーストライターを確保
一人の編集者は年間12冊〜20冊前後の本を作る
1年で10冊以下の編集はいない
素人に書かせればスケジュールは破綻する

ルーチンワークで本を作る
誤字脱字が多く、文中見出しの位置、段落構成、センテンスの繋がりが粗い
前の文と次の文の間に隙間がある(著者が手を加えたとき)

編集者が隙間を埋めるべき


〇工程
1〜2か月で取材:10時間のインタビュー
2か月で200頁を書く
著者が補筆 3週間〜2か月
1〜2か月で印刷と製本

〇増刷
業界平均5冊に1冊 いずれは10冊に1冊になる

〇本の作り方
・章立て 5章〜各10節=50節
・取材 2時間×5回

節のポイント。それを裏付ける事実
一つを前半できっちり。残り2つを後半でさらっと
ラストでポイントを繰り返す

節は2千文字。取材では3千文字欲しい

・読者が求めているもの。書かれていることが心理的に近い内容であること。主要な読者である会社員の心にすとんと落ちる。

編集者の職務追行能力
・1冊の刷り部数に対する売上部数
・増刷率(年間何冊作り、そのうちどれくらいが増刷になったか)
・コスト
・年間20冊

編集者は本のプロジェクトを同時進行でいくつもまわさざるを得ない

編集者は自ら本格的に書いた経験がない。

〇ビジネス書は新規参入しやすい
(文芸書、小説は作家。ビジネス書はゴーストライター
その象徴はビジネス新書

〇集客力ある著者ありき

ビジネス書の著者になりたければ、何らかの仕事で高い実績を残して一目置かれる存在になる。ファンが押し寄せるコミュニティを作る。

ブログ、Twitterfacebookで編集者の目に留まるようにアピールする。

売れる仕組み=政治活動?

ノンフィクション作家とデータマン

出版社は、ジャーナリスト、ノンフィクション作家、ルポライター知名度やブランド力を利用してビジネスする。

ネット上で著者をすばやく見つける。ゴーストライターに書かせる。数か月で本を作る。著者のもつコミュニティに売る。

やらせの論争。

〇ヒット作の類似作を作る
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著者にもとめられるのは、ブランド力、営業力、ネットワーク力、書く力は不要。ブログで著者自らが営業する時代。出版社の営業には頼れない。自分で一生懸命営業する腰の低さ、文章は書けなくても良い。読者も実は読んでいない。