『暴力とポピュリズムのアメリカ史 ミリシアがもたらす分断』(中野 博文著、岩波新書、2024年1月19日発行)

アメリカという国は、建国前から暴動や戦争が多発している国という印象を受ける。市民による自治あるいは自衛のために基本になっているミリシアという仕組みができたが、ミリシア連邦政府に対抗する手段としても認められていた。しかし、対外戦争(イギリス、メキシコ、スペインなど)や、第一次、第二次世界大戦を通じて連邦政府の軍事組織に組み込まれていったということのようだ。

ミリシアの組成に、人種差別に対する州ごとの違いが大きな影響を与えているなど、アメリカという国の問題が浮き彫りになっている。

しかし、本書は文章が全体として少しわかりにくいと思う。