『プーチンと甦るロシア』(ミヒャエル・シュチュルマー、白水社、2009年)

ページレイアウト(フォントの使い方など)が良くないので買おうかどうか迷ったのですが、読んでみるととても面白い。

ロシアの国家経済が石油・ガスという天然資源にかなり依存しており、その値段次第で財政が破たんする可能性があること。ガスプロムという国家管理会社で西欧、東欧にガスを輸出するパイプラインを張り巡らしていることなどロシア初心者にわかりやすく説明されています。ロシアでは現代的な企業経営はなりたちそうもありません。

プーチンを初めとして国の支配階層がFSBロシア連邦保安庁、旧KGB)出身者で固められており、彼らは、法のもとでの平等、透明性、私有財産の保証など、自由主義経済のベースになっている思想が理解できていないようです。こうした自由が保障されないと企業家は生まれないので、ロシアの経済が、資源輸出という低開発国型経済から高度工業社会に移行するのは難しいだろうと思います