『イスラム国とは何か』(常岡浩介著、旬報社、2015年2月25日発行)

イスラム国とは何か』(常岡浩介著、旬報社、2015年2月25日発行)を読みました。

イスラム国がなぜ、どのように成立したのか。急速に支配地域を広げているやり方などシリア情勢が良く分かります。世界中からイスラム過激派がシリアに義勇兵として集まってアサド政権への反政府闘争をしている。

そのなかで、イスラム国は反政府派が政府軍から解放した地域を横取りする形であまり戦力を使わずに支配地を広げている。国を作ることに力を注いでおり、フセイン時代の経験をもとに、支配地を広げて恐怖に基づく統治をおこなっている。イスラム国がカリフを立てたことでイスラム過激派への求心力が強くなっている。

こうした現象を引き起こしたのは、アフガン、イラク、シリア(アサド対策)と続く米国の戦略の誤りがある、ということです。米国は国としてみると、中央アジアの現地情報収集・国際戦略立案能力は低く、しろうとの大統領が、その場、その場で場当たり対応しているような気がしますね。

いづれにしても、イスラム国を壊滅させるのは簡単にはできそうもないし、今後はますます泥沼化しそうです。