『ヒトラーとナチ・ドイツ』(石田 勇治、講談社現代新書、2015年6月20日)

ヒトラーの登場からホロコーストまで。ざっと紹介した本だが、ちょっと魅力に欠けるような気がする。なぜだかわからない。

第一次大戦の敗戦とヴェルサイユ条約の屈辱、ヴァイマル共和国の混乱の中でナチ運動が勢力を伸ばした背景は良く分かる。

ヒンデンブルク大統領が、ヒトラーを首相に選んだのは歴史的な誤算だったろう。しかし、1951年に振り返って、20世紀の中でドイツがうまく行っていたのはナチ時代の前半であると答えた人が40%いた(p.190)ということは、当初のナチが歓迎されたということを表している。

この本は、本文300ページを超える大作でありながら、索引がない。登場人物が2回目に出てきても、最初はどこで紹介されているか、前の方を見返して探してもなかなかわからず。理解する上で大変な不便がある。こういう本は人名索引は必須だと思う。

編集者の手抜きを糾弾する。