『地球の履歴書』(大河内 直彦著、新潮選書、2015年9月発行)

地球科学読み物である。

面白かったことをいくつか挙げる。南極の氷の下に湖があるということ。言われてみれば、圧力が掛かったところで地熱により氷が溶けている可能性はありそうだが。これは本の1ページにも満たない(p.117)。

大陸移動説はウェゲナーが提唱したということは知っていたが、ヘスが再度取り上げたということは知らなかった(忘れていた?)(p.51)。大陸がなぜ移動して一方の側で生成され、他方の側で沈降するかはどうやら生まれてからだんだん厚くなるためのようだ。単に移動しているだけではなくて、徐々に深くなっているというのは面白い。頂上の平たい海山=ギヨーが沈降することから話を持ち出したのは面白い。

小話がたくさんあるという感じでそれなりに読ませる本である。惜しむらくは、全体としてみると断片的な話を積み重ねている分、一冊の本を読んだという充足感にかけるけれども。