『投資戦略の発想法ーゆっくり確実に金持ちになろう』(木村 剛著、講談社発行、2001年2月発行)

1章 投資の本なのに、最初に節約してお金を貯めろという。純粋な投資の話は、極少ない。

 

著者は財産形成の方法としては、①生活防衛資金の段階、②三分割ポートフォリオの段階、③株式20銘柄ポートフォリオの段階の三段階を提案する。

 

「株式は何でも良いから20銘柄持て。買ったら売らずにずっと持っていろ」という。しかし、日本の上場会社には結構腐った会社が多い。それに、株価が異常に高い会社も多い。なので、サルのようにランダムに投資するのはばかげている。会社が良い会社か、良くない会社か、株価が高すぎるかどうかの見極めは必須だ。

 

個人投資家は、パーフォーマンスを常に問われる機関投資家と比べて、赤字になったとしても長期的に持ち続けることができる分が強みだ」という。確かに、常に利益を出し続ける会社であれば持ち続けるという戦略が正しい。しかし、会社は常に利益を出し続けられるとは限らない、また会社の寿命は30年持たないことも多いから、そういう会社の株は買っても早めに見切りを付けないといけない。経済環境も競争環境も常に変化する。30年も経てば世の中はがらっと変化してしまう。要は、変化に対応できるかどうかである。腐ってしまった会社の株をずっと持っていても仕方ないだろう。

 

著者の議論は大筋間違ってはいないが、あまりにもレベルが低すぎるし、ちょっと極端すぎる。