『AI vs. 教科書が読めない子供たち』(新井紀子著、東洋経済新報社、2018年2月15日発行)

『AI vs教科書が読めない子供たち』を千代田図書館で予約したらなんと55番目。順調だと順番が来るのが2年先になりそう。ということで、自分で購入した。

本書では前半は、東ロボプロジェクトの経験に基づくAIでできること、できないことについて述べている。

AIは基本的に、計算、確率、統計という3つの方法を利用している。東ロボは、2015年世界史で偏差値66.5となる。数学は模試で偏差値76.2となる。ホワイトカラーの仕事がAIに奪われる。

しかし、東ロボ君は、国語と英語ができない。原因の一つは常識がもてないため。いまのAIの延長では偏差値65をこえることができない。つまり、AIには意味を理解できない、という限界がある。AIでできない仕事は残る。

では、人間はどうか? 大学生数学基本調査で、大学生の数学読解力を調べてみると非常に低い。例えば、偶数と奇数を足して奇数になることを正しく説明できない。正しく説明できるのは、国立で偏差値の高いSクラスのみで、他のクラスでは誤りの方が多い。大学に入学できるのは論理的な読解力と推論の力による。

リーディングスキルテストを作り、基礎的読解力を測定する。短期間でかなり受験された。教育現場においても危機感があるようだ。基礎的読解力は人生を左右する。

基礎的読解力を高める希望はある。まだ、具体的な方法ははっきりしていない。

ちなみに本書に出ている問題すべて自分で解いてみたら、1問だけ間違った。どうやら、論理的な推論の力が弱くなっているようだ。反省して努力しないと。