第一次世界大戦を軍事技術、経済、および日本の果たした役割といった視点を加味して説明した良書だ。
軍事技術についていえば、銃砲、軍艦、潜水艦、戦車、飛行機の進化などが第一次大戦を機に発展したことがよく分かる。第一次世界大戦はどちらかというと地上戦であっただろうが、戦争が国家総力戦になるに従い、シーレーン防衛の重要さも浮き彫りになっている。例えば、ドイツが採用して当初成果をあげたUボートによる通商破壊戦は、商船隊を護送船団とすることで効果が薄れたなどという説明も面白い。
このほか、日本が地中海に海軍を派遣して戦ったという事実も興味深いところだ。
本書は第一次世界大戦を日本人向けに分かりやすく説明するという著者の狙い通りの出来になっている。