『人類の起源』(篠田 謙一著、中公新書、2022年2月25日発行)

DNA解析技術の進歩で、古代DNA研究が活況を呈している。ホモ・サピエンスは約20万年前にアフリカで生まれたのは定説。DNA解析ではネアンデルタール人の祖先とホモ・サピエンスが分かれたのは60万年ほど前であることが分かった。

ホミニンは属が異なる種を含める。ホミニンの歴史:チンパンジーと人類が分かれたのは700万年前。最古の化石人類はチャド共和国で発見されたサヘラントロプス・チャデンシス。直立2足歩行。アウストラロピテクス属は東アフリカ、南アフリカで420~200万年前の化石が発見されている。アウストラロピテクス・アファレンシスのルーシーが有名。370~300万年前。

ホモ属は脳容量をもって分類するの有力。初期のホモ属は東アフリカで200万年前の地層から見つかっている。ホモ属の誕生は200万年前。北京原人ジャワ原人などを総称してホモ・エレクトスという。200万年前~20万年前まで。

ホモ・サピエンスは新人で、誕生は30万~20万年前のアフリカ。

ホモ・ネアンデルタレンシス(ネアンデルタール人)やホモベルゲンシスは旧人ネアンデルタール人は、ヨーロッパ、西アジアで良く発見され、14~13万年前。ネアンデルタール人のDNA分析で、ホモ・サピエンスと交わっていたことが判明した。

アルタイのデニソワ洞窟からは、ネアンデルタール人ともホモ・サピエンスとも異なる未知の人類「デニソワ人」が発見された。2010年に発見。DNAの証拠だけで新種になった初の人類。80万4千年前に、デニソワ人とネアンデルタール人の祖先がホモ・サピエンスと分離、その後、64万年前にデニソワ人とネアンデルタール人が分離した。

ホモ・サピエンスはアフリカで10万年前以降に現代人型として完成した。アフリカでの初期拡散、集団の分岐、出アフリカは6万~5万年前と考えられている。

ヨーロッパ、アジア集団、日本列島集団、新大陸の章もある。最新情報の話が多いが、ちょっと細かすぎるように思う。