『上昇 アメリカは再び〈団結〉できるのか』(ロバート・D・パットナム著、創元社、2023年7月30日発行)

1900年から1960年頃までアメリカは個人主義から協調へむかっていたが、そこから現在まで個人主義に向かっている。つまり、現在は、120年前と瓜二つだという。

アメリカ経済の繁栄:一人当たりGDPの持続的成長、アメリカの住宅は拡大、車が急増、乳児死亡率の低下、平均余命の延長、高校卒業率向上(1970~2000年に一時的下降傾向)、大学卒業率向上

しかし所得の平等は1970年後半がピークでその後格差が広がっている。富はそれにやや遅れ集中化している。

大収縮:20世紀の初めから2/3まで。組合加入率は1950年前後がピーク。税の累進性も同時期にピー

大分岐:その後経済的不平等の拡大。2000年以降絶望死が急増している。社会保障は高齢者向けが増えているが、福祉至急は下落を続ける。

1890年きんぴか時代の頂点

政治的な分断は大統領(候補)や議員などの分断が先行して、国民の分断が遅行しているという指摘があった。リーダーの分断志向情報発信が国民全体を分断に誘導する。

社会的信頼の世代差。1890年代から1960年代まで、1920年代と1930年代初頭の中断を除いて、アメリカ人は社会的につながるようになってきたが、その後は、つながりが低下している。

新生児名にどのような名前を付けるかの伝統性対珍しい名前をジニ係数で測定する。

1870-1880:金ぴか時代

1880-1910:進歩主義時代

1910-1920:第一次大戦

1920-1930:狂騒の20年代

1930-1940:ニューディール

1940-1950:第二次世界大戦

1950-1960:アイク

1960-1970:60年代

1970-1980:わたし世代

1980:レーガン

黒人の平等の達成は1964年公民権法、1965年投票権法の成立がピーク。JFKとリンドンジョンソンの時代。しかし、公民権革命の後、実際の行動段階になると白人のバックラッシュが起きた。