2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『高地文明―「もう一つの四大文明」の発見』(山本 紀夫著、中公新書、2021年6月25日発行)

発行日前に読み終えたのだが、久しぶりに日本人の著者による面白い本だ。日本の中学や高校の教科書に載っている大河のほとりに生まれた四大文明ーメソポタミア、ナイル、インダス、黄河ーという概念がどのように出来上がったのか、という疑問から説き起こす…

『日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀』(西野智彦著、岩波書店、2020年11月26日発行)

第1章松下時代 1996~1998年 1997年6月11日成立。「憲法第65条 行政権は、内閣に属する。」と日銀の独立性をめぐる闘争部分が一番面白い。1997年10月末から頭の三洋証券会社更生法、コール市場でのデフォルト、北海道拓殖銀行の破綻、山一破綻と続き、各地で…

『見えない絶景 深海底巨大地形』(藤岡 換太郎著、講談社ブルーバックス、2020年5月20日発行)

世界の海を仮想潜水艇で順番に潜航航海するという趣向は面白い。しかし、やはり海底の話はちょっと地味である。プレートテクトニクスの話はある程度知っているので再び感がある。冥王代という、46億年前に地球が生まれてから40億年前までの話は、個人的には…

『石橋湛山の65日』(保坂 正康著、東洋経済新報社、2021年4月8日発行)

昭和21年吉田内閣の蔵相となり、昭和22年4月の選挙で静岡県から当選するが、5月に公職追放。この間の記録をみると吉田茂の関与を否定できない。吉田茂という男は極めて卑劣という感を持つ。 石橋湛山という人物については本書を読むまであまり知らなかったが…