『国際秩序 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ』(細谷 雄一、中公新書)

国際秩序の思想には、均衡、協調、コミュニティの3つの原理がある。
(1)均衡はパワーを基本とし、パワーとパワーを均衡(バランス)させることを秩序の原理とする。しかし、力と力の均衡をとるのは脆弱で危険であり、戦争の原因になったとも考えられる。
(2)これに対して道徳や正義をもって秩序を保とうという考え方が、協調である。ナポレオン戦争後のウィーン体制は、ヨーロッパ協調による平和を実現した。これは大国間での同質性を前提とする。
(3)カントが提唱した理性に基づく永遠平和、平和連合は世界市民的民主共同体を希求する。