『1945年以後 上・下』(タッド・シュルツ、文藝春秋、1991年5月)

上巻を古本屋で見つけて100円で買い、読んでみて面白かった。下巻を読みたいと思ってアマゾンで買った。アマゾンでは無料・郵送料負担のみである。

アマゾンで買った古本は、もしかすると20数年前に印刷されたまま一度も読まれなかったものかもしれない。

第二次大戦から約半世紀を駆け足でまとめた本だが、なかなか読み応えがある。

アメリカの戦争については『オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史』に書かれていたことと似通っている。

もう一つの強い印象は、第二次世界大戦後の共産主義との戦いである。アメリカは共産主義に対する思い込みによってかなりの無駄な戦いをしてきたように見える。国同士が相手を正しく理解するのは難しい。人間も同じではあるが。

1989年に東欧の国でマルクスレーニン共産主義から転換した過程については、『東欧革命1989年』に詳しく書かれているが、本書の記述はそのダイジェストとして分かりやすい。

最後に書かれている「1980年代に強まった不安な傾向のひとつは、宗教的なファンダメンタリズムと宗教がらみの紛争の激化だ」というのは、いまの中東を預言していないか?