『After Bitcoinアフター・ビットコイン』(中島 真志著、新潮社、2017年10月発行)

ビットコインを中心とする仮想通貨に関する記述とブロックチェーンについての記述がある。

両方とも比較的事実を重視して実証的に書かれているので信頼性が高いように思う。

ビットコインは、最初はほとんど遊びでだったが、キプロス危機、その後中国の元問題で国際間の資金逃避に使われてきた。最近の日本の熱狂は完全なバブルだろう。

ブロックチェーンについては、主に中央銀行と金融機関での送金への応用の説明が多い。これは著者が日銀出身であることが大きな理由だと思う。

実際には、金融機関同士の送金は既に大型の投資が行われているので、それをリプレースするのはなかなか難しいのではないか?

銀行間送金についてはリップルの攻勢により、既存のシステム事業者(SWIFTや全銀協など)が危機感をもってシステムの刷新、価格やサービスの見直しに繋がると良い結果になるだろう。

いままで、問題があって解決策が提示されていない分野では普及しやすいんだろうが。新しい技術がどのように普及するかは、見所である。