『宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト どこから来るのか、なぜ起こるのか』(村上 敏夫著、講談社ブルーバックス、2014年3月発行)

ガンマ線X線よりもエネルギーが高く、透過力の強い電磁波。可視光は1電子ボルト(1eV)。X線は1万eV、ガンマ線は100万eV程度。地球の大気を通らないのでずっと観測できなかった。人工衛星で観測。ベラ衛星で、世界最初の報告は1967年7月2日。1973年に天文学会で報告された。

ガンマ線バーストとはあるとき突然強度をまして、10秒程度で無くなる現象。

スペクトルがベキ形(熱では無い)。X線バーストは熱的。強度が速く変動する。

白色矮性は太陽の数倍の重さの星が燃料を使い尽くすと縮んで太陽の百分の一の大きさ:半径六千キロ程度になったもの。白色矮性は電子の縮退圧で支えられる。

太陽の10倍になると中性子星になる。半径十キロ程度。できるとき超新星爆発を伴う。藤原定家「明月記」はかに星雲超新星爆発中性子星は電子が陽子と合体して中性子となっている。原子核密度の星。中性子星の表面に水素が降り注ぐとヘリウムに変換される(水爆)。このときX線バーストがでる。

中性子星ガンマ線バーストを出す? 

ガンマ線バーストX線領域を観測。「ぎんが」衛星。⇒ガンマ線バーストは強い磁場をもった中性子星が出すと報告。

 古典的ガンマ線バースト、軟ガンマ線リピーター(中心エネルギーが低く、繰り返す)の分類が始まる。「あすか」衛星は軟ガンマ線リピーターを観測。⇒超新星の残骸中の中性子星が軟ガンマ線リピーターとする。(1994年)⇒後に、軟ガンマ線リピーターはガンマ線バーストから除外される。⇒磁気星(マグネター)という種類の中性子星

米・コンプトン衛星で古典的ガンマ線バーストの発生方向には特長がないことを報告(1992年)⇒古典的ガンマ線バーストの期限に関する論争。(1995年)⇒銀河系ハロー内説が聴衆の多くに指示された(誤り)

古典的ガンマ線バーストは、長、短に分類される。

イタリア勢がX線残光を発見 1997年。ガンマ線バーストの発生源はたった一個の星。分光観測で距離を決定する。120億年前。⇒ガンマ線バーストはハイパーノバの爆発から。ガスが光速に近い早さで広がる。

マーチンリース郷の理論:火の玉モデル

ガンマ線バーストの原因はブラックホールを作るときのジェット状の爆発。

長いガンマ線バーストは重くて若い星からブラックホールを作るとき

短いガンマ線バーストは古い中性子星連星が合体してブラックホールを作るとき

 全宇宙に存在するすべての星が出しているエネルギーに匹敵するエネルギーが一回のガンマ線バーストのある瞬間にでている。

ガンマ線バーストは宇宙一遠い。宇宙の一番星。128億光年が発見される。2006年すばる望遠鏡

2009年ジェミニ望遠鏡。赤外線。132億光年。

一番遠いのは134億年の距離。