新型コロナウィルスCOVID-19と戦うための情報システムの必要性についてーその2

厚生労働省のCOVID-19感染者数公開データ

新型コロナウィルスCOVID-19の感染者数が急激に増加している。全国の感染者数のデータは、4月2日時点では厚生労働省Webサイトで次のページに公開されている。

新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況、国内の患者発生、海外の状況、その他)

このページの先頭には、発生状況という見出しがあり、例えば、4月1日時点では、次のようになっている[1]。

国内で今般の新型コロナウイルスに関連した感染症の感染者は2,178例となりました。
内訳は、患者1,623例、無症状病原体保有244例、陽性確定例(症状有無確認中)311例となります。国内の死亡者は57名となりました。
また、国内での退院者は48名増加し、472名となりました。

この数字は前日の自治体からの報告数を集計したものである。自治体からの報告数については、国内の患者発生という見出しに毎日の自治体からの報告が掲載されている。4月2日4時の時点では、3月31日分は準備中となっている。

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3月31日公表分については、報道発表資料 2020年3月の中にあり、3月31日分は次のようになっている[2]。

3月31日、青森県宮城県秋田県山形県福島県茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県静岡県、愛知県、岐阜県富山県、石川県、福井県滋賀県京都府大阪府兵庫県香川県愛媛県徳島県高知県、福岡県、佐賀県大分県熊本県より、今般の新型コロナウイルス感染症の患者128名、無症状病原体保有者7名、陽性確定例(症状有無確認中)85名、死亡者1名が以下の通り報告されました。

4月1日の感染者数2,178例とは、3月31日の感染者数1,953例[3]に、地方自治体が3月31日に報告した感染者数220例(128+7+85)と空港検疫の感染者数56例とチャーター便の感染者数15例を加えた数字である。

このように、まず、4月1日の感染者数は3月31日に地方自治体から報告されたものであり、1日遅れの数字になっていることに注意しなければならない。一刻も早く最新の数字を知るためには、地方自治体の報告数を見て、自分で集計する必要がある。

厚労省のこのWebページでリンクされている各地方自治体の報告書PDFの内容や形式を見ると、自治体毎に形式がばらばらである。

地方自治体では

一方、各自治体はそれぞれWebサイトを作成して情報を公開している。例えば、東京都は、東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイトの中に都内の最新感染動向というページがあり、ビジュアルな統計グラフとともに、元の個別データがCSV形式でオープンデータとしてとして公開されている。ただし、東京都のCSVデータに記載されているのは次の項目のみである。

  • 公表_年月日
  • 曜日
  • 患者_居住地
  • 患者_年代
  • 患者_性別
  • 退院済フラグ

しかも、「患者_居住地」の項目はほとんど「都内」のみであり、4月1日分はすべて「調査中」である。

これで果たして役立つのだろうか? データ収集の方法をもう少し工夫できないだろうか。

次のようなTweetもある。

 

外国のCOVID-19情報システム

米国では、CDC(Centers for Desease Control and Prevention)のサイトに行くと、情報がビジュアルに整理されている[4][5]。州別はもとより、報告日別、発症日別のグラフが得られる。報告日と発症日の区別は重要だろう。

 

[1] 新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年4月1日版)感染者数とはPCR検査陽性者の合計である。

[2] 新型コロナウイルスに関連した患者等の発生について(3月31日公表分) 

[3] 新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年3月31日版)

[4] Cases in U.S.

[5] Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

 

新型コロナウィルスCOVID-19と戦うための情報システムの必要性について