『5G 次世代移動通信規格の可能性』(森川博之著、岩波新書、2020年4月17日発行)

2019年4月3日米国のベライゾンと韓国のSKテレコム、KT、LGユープラスが5Gサービス開始。ただし韓国はミッドバンドで4Gの延長。その後、欧州・中国も開始。日本は2020年春から。

クアルコムスマホ向けチップセットの最大手)が5G規格策定でも中心的な役割を果たした。通信機器はエリクソンノキア、ファーウェイ。日本企業は部品に強み:LCフィルターの村田製作所積層セラミックコンデンサ村田製作所TDK太陽誘電、電源用パワー半導体ローム、窒化ガリウムバイス住友電工、高純度窒化アルミニウムのトクヤマは市場シェアの8割、通信計測器はアンリツ、米キーサイト・テクノロジー、独ロ―デ・シュワルツの3社、ガラスアンテナAGCNTTドコモの共同開発など。

第5世代(5G)は幅広い。まず、5Gの割り当て周波数は、ハイバンド:24Gヘルツ帯以上のミリ波、ミッドバンド:1~6Gヘルツ帯、ローバンド:1Gヘルツ帯以下。(4Gは3.5Gヘルツまで)。2019年4月に総務省が4社(NTTドコモKDDIソフトバンクモバイル楽天モバイル)に割り当てたのは3.7、4.5、28Gヘルツ帯。今後拡大する。

ハイバンドは直進性が強く、減衰も大きい。局所的な展開。2時間の映画を3秒でダウンロードはハイバンドを使ったとき。ミドルバンドは4Gに近いので経験を生かせる。ローバンドは電波が届きやすくカバー範囲を広げやすい。

多彩な技術:超高速大容量、超高信頼性・低遅延、大量端末接続(多数同時接続)。Massive MIMOアンテナ、エッジコンピューティング、コアネットワークの仮想化、無線アクセスネットワークの仮想化、ネットワークスライシング(一つのネットワークを仮想的な複数ネットワークに区切る)、ローカル5G(プライベート5G)、自営BWA(Broadband Wireless Access)=プライベートLTE=自己の建物内で自営網ができる、WiFi6(誰でも使える)の無線技術は5Gに近いのでWiFi6でスタートしローカル5G(許可制)に移行というプランあり。

第3章 モバイル興亡史に移動通信システムの1980年代第一世代からの歴史が簡単にまとまっている。そのページを読むと、その進化のスピードが怖い。人間が歳を重ねて経験することよりも遥かに速いので、若い人たちの体感をまったく理解できそうもない。