本書は、『新・日本の階級社会』(講談社現代新書)の続編のようだ。
前書では、階級社会の全体像を示したところだが、本書はアンダークラスに焦点をあてて、分析している。
アンダークラスとは、パート主婦を除く非正規労働者(但し、管理・専門職を除く)としている。専門職を除くのはどうかとも思うし、無職(失業者・無業者)もアンダークラスに入らないので、この定義はかなり問題があるのではないだろうか?
しかし、パート主婦を除く非正規労働者としたことで分析は理解しやすくなっているという側面がある。
アンダークラスの人数は928.7万人とされている。(p.044)
正規労働者の所得はかなり伸びているのに、非正規労働者の所得は大幅に減って格差が拡大している(p.044)というのはちょっとびっくりである。
アンダークラスは、60歳以上と、59歳以下、男と女に分けられる。特に悲惨なのは59歳以下の男と女である。男の場合は学校を出て修飾するときが分かれ路のようだが、女性は結婚して寿退社して,その後に離別・死別するケースがあるようだ。
いずれにしても、アンダークラスの人数は非常に増えており、彼/彼女らは未婚まま歳をとると最も不幸な層になるという。そう言う人がどんどん増えているのが現在の日本の実態である。
この問題は今後ますます深刻になるのだろう。本書を読むとやりきれない気持ちになる。