『21世紀の財政政策』(オリヴィエ・ブランシャール著、日本経済新聞出版、2023年3月17日発行)

数式が多く難解だが、r-g<0(実質経済成長率より実質安全金利が小さい)なら債務は償還されなくても、新たな債務が発行されなければ、生産に対する債務の比率は低下する、という箇所が印象に残る。

日本語版への序文に本書執筆の動機は日本経済の経験の研究にあったという。

先進国は全体として、実質金利が低下する長期低迷の時代になっている。金利が低下しすぎて中央銀行の金融政策の余地がなくなった状態では、財政政策が重要というのが本書の結論のようだ。