『オッサンの壁』(佐藤 千矢子著、講談社現代新書、2022年4月20日発行)

2017年に毎日新聞社会部長に、全国紙女性初の政治部長となった著者の体験を中心とした主に男女間の(ジェンダ―)バリアに関する話である。

さっと読んでみた範囲では、あまり面白くない。一般に新聞記者やジャーナリストが書いた本はつまらないが、本書もその轍を出ない。なぜかわからないが、割と事実を淡々と書いてあって、想像の範囲内の話が多すぎ。常識的で平凡すぎ? 

もし、20年か30年後の世代が読んだら、こういう時代もあったのか、と面白く感じるかもしれない。そういう意味ではドキュメンタリーの一種としてみれば良いかも。

実際のところ、日本社会は完全に行き詰っている感があり、いろいろな概念を根本からひっくり返して作り替えていかないと復活できそうもない。例えば、仕事の面でも、男女格差をなくして、要は女性にもっと働いてもらえるようにしたいわけだが。現実には実現できていない。いろいろな壁があるが、本書を読んでも壁を認識しても、その壁をやぶるための簡単な答えはみつかりそうもない。