『敗者のゲーム 原著第8版』(チャールズ・エリス著、日経BP、2022年1月8日発行)

S&P500の平均リターンを分析した調査を見ると、1980~2016年20年間のトータルリターンのすべては35日間(5000日間の取引日の1%に満たない)に達成されている。

投資哲学・投資コンセプト。アクティブ運用の4つの形態は次のとおり。

・長期的に見て失敗する原因は下げ相場で株から手を引いて、次の上げ相場についていけない⇒稲妻が輝く瞬間に居合わせる

・将来性のある銘柄を誰よりも先に見つけることでリターンを上げる。これは現在ではできなくなっている

・投資戦略。業界調査、経済、金利、新興成長株、バリュー株などの戦略。できるのか?

・超過収益を生み出す力を見出す。見込みのない低位株を避けて、下値で有望銘柄を拾う。

インデックスファンドは投資のプロの考えの総和である。

本書は決めつけ的論理展開が多い。本当に、データに基づいているのか?

1987年10月ブラックマンデー

2008年10月から11月リーマンショック

2020年3月新型コロナウィルスショック

アクティブ投資のリスク

価格リスク:高い価格で買ってしまうこと

金利リスト:金利が上がれば株価は下がる

事業リスク:業績不振で利益が減る

倒産リスク

◎資金が必要な時にないことが本質的な意味である。

リスクに対する別の見方は次の3つ。

・市場リスク

・個別銘柄リスク

・株式グループリスク

株式を売らなければ株価の上下はそれほど気にすることはない。リスク許容度とは市場の極端な暴落機にどこまで耐えられるか。

市場が悲惨な状況になると、自分で決めたことを変更してしまう。

投資をするとき、株がバーゲンになったら買わない人が多い。株式相場の下落は安値で買うための第一歩である。

運用成果測定

・サンプル抽出の偏り

・市場環境が良かったか、悪かったか

・運用機関の技術

過去のパフォーマンスは将来の予想に役立たない

個人投資家が市場を見ながら売買するときは大抵失敗する。マーケットの中心からはずれているため楽観しすぎたり悲観しすぎたりして、上昇相場にも下落相場にも乗り遅れる。

現在、NYSEの売買高の90%以上は機関投資家による。

本当に有利なのは奇妙なことに株価が値下がりし、低迷を続けることである。値下がりした市場にこそ価値がある

自ら投資判断する個人の運用は長期的にはうまくいかないという実証研究は山ほどある。

・自分の投資目的を明確化し、それを継続する。

・取れるリスク許容度を決める。のめり込まない。

・投資成績をしっかり見てそこから学び取ろう。

・毎日株が下がっていくという過酷な状況でどう判断したか。

アクティブ投資の選択法は長く付き合えるファンドであること

ほとんどの投資家は最悪の成績のとき売り、最高の成績の時に買う。(これはだめ)。

ファンドはいくつか選ぶ。分散する。

成功の秘訣はインデックスファンドである。

世代を超えた運用プランをつくるべきだ。

リスクは、インフレリスㇰと市場リスクである。財務省証券は市場リスクはないが、インフレに勝てない。

(感想)

本書はあまり良い本ではないと思う。なにしろ、論拠なしに断定している箇所が多すぎ。(いや、ほとんど論拠なし)。なぜこのような本が8版も版を重ねたのか理解に苦しむ。