2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『パリ物語』(宝木 範義著、新潮選書、1984年7月30日発行)

パリが現在の街並みになってきたころの様子を30トピックに渡って描写する。もともと『日本美術工芸』誌に1981年6月号から1983年12月号にかけて連載された記事を1冊にまとめた書である。 パリの街が形を整えたのは17世紀から19世紀のようだ。17世紀にルイ4世…

『砂漠の戦争 イラクを駆け抜けた友、奥克彦へ』(岡本 行夫著、文藝春秋、2004年7月発行)

米国が起こしたイラク戦争後、イラク復興の現場で銃撃されて死亡した外務省の奥克彦大使の活動を中心に、中東の歴史、米国の中東への取り組み、日本の主に小泉首相時代の活動を綴っている。 小泉時代に自衛隊がサマーラに出て復興支援をしたのだが、奥氏や岡…

『信長』(秋山 駿著、新潮社、1996年3月25日発行)

この本は小説ではない。信長という人物を解釈しようという解説書か? 人物評論あるいは評伝といったら良いか? 少しばかり変わった本である。 主に、『信長公記』を引いているが、それ以外に日本の書では、徳富蘇峰の『近世日本国民史』「織田信長」、新井白…

『ウイルス・ハンター』(エド・レジス著、早川書房、1997年8月発行)

1995年ザイールのキクウィト市で発生したエボラウィルス感染症に対する米国疾病対策センター(CDC)の対策班の活動を伏線に、CDCの歴史、さまざまなウィルスや細菌による感染症対策の話をちりばめた物語である。 マールブルグ、ラッサ、エボラという出血性ウ…

『2050年のメディア』(下山 進著、文藝春秋、2019年10月25日発行)

本書は、インターネットによる情報提供がもたらしたメディアの変化の物語である。紙からデジタルへの変化になんとか対応している日経。一方で、うまく変化できない読売新聞社。ヤフー・ジャパンはニュースからデータに変わる。 2018年1月5日読売講堂の賀詞交…

新型コロナウィルスCOVID-19と戦うための情報システムの必要性についてーその3

新型コロナウィルスとの戦いのための情報システムについて考える。前回[1]は確定情報を如何に早く集めるかを考えてみた。今回は別の側面から考えてみる。 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年4月1日)を読んで考えたことのメモ。対…

『アメリカの制裁外交』(杉田 弘毅著、岩波新書、2020年2月20日発行)

本書は読むとアメリカの制裁外交について、全体をうまくまとめて整理した本だ。前書きに「金融制裁も自らの痛みを伴わずに、相手にできるだけ多くの犠牲を強いるため、相手に与える負のインパクトへの思いが足りないのではないか」とある。本書を読むとまさ…

新型コロナウィルスCOVID-19と戦うための情報システムの必要性についてーその2

厚生労働省のCOVID-19感染者数公開データ 新型コロナウィルスCOVID-19の感染者数が急激に増加している。全国の感染者数のデータは、4月2日時点では厚生労働省Webサイトで次のページに公開されている。 新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状…